建築様式とは
建築様式とは、建物の特徴となる型の事です。
その時代の生活や文化にマッチした建物が作られるので、歴史の教科書にはいくつかの建築様式が登場します。
この特徴は建築によって、外観に特徴のあるものから内装に特徴のあるもの、工法の特徴から庭まで含めた特徴まで様々あります。
教科書に登場する建築様式
縄文時代 竪穴住居(たて穴住居)
地面を円形か方形に数十センチ掘り、できたくぼみに柱を立てて骨組みを作り、屋根をかけた建物。
弥生時代 高床倉庫
弥生時代に稲作が広まった為、収穫した米を貯蔵する為の倉庫が作られるようになった。
それらの倉庫は湿気やネズミから米を守る為、床を高くした。
※昔は「高床式倉庫」と習いました。
奈良時代 校倉造(あぜくらづくり)
宝物や経典を収蔵する為の倉庫に用いられた建築様式で、正倉院の建築様式で知られる。
三角形の木材を組んで作る工法と高床式に特徴がある。
写真は正倉院と同時代の建築である唐招提寺の宝蔵である。
平安時代 寝殿造
平安貴族の屋敷に使われた建築様式。
複数の建物を渡殿(わたどの)という渡り廊下で結んだ。
また、建物の多くの部屋には仕切りとなる壁や建具が無く、御簾や几帳、屏風で部屋を仕切った。
写真は厳島神社社殿。複数の社殿を渡殿で結ぶ様式や檜皮葺の屋根は、寝殿造の様式を取り入れた結果である。
鎌倉時代 宋から取り入れた建築様式
写真の東大寺の南大門は源平合戦の混乱で焼失したが、鎌倉時代に宋の建築様式を取り入れて再建された。
この様式は「大仏様」と言われる。
室町時代 書院造
畳敷で障子やふすまが使われ、床の間や違い棚などがある部屋を中心にした建築様式。今の和室につながっている。
武士の社会的地位が向上した時代に、武士の生活様式に合わせて発展した。
寺院の部屋の様式を住居に取り入れてある。
写真は銀閣。銀閣は二層の建物で、その一層が書院造で作られている。
同じ敷地にある東求堂の同仁斎という部屋と共に、代表的な書院造の建築として知られる。
安土桃山時代 天守
豪華な天守のある城が作られた。
天守とは城の本丸にある、物見やぐら等の目的を持った高層建築である。
もともとは軍事施設としての役割があったが、やがて城主の権威を示す為のものとなり、江戸時代に太平の世となって以降は実用的な役割が失われていった。
写真は松本城。現存する天守を持つ城の一つであり、国宝に指定されている。
特に安土城の天主(安土城の場合は「天主」と書く)の五階は八角形の特徴的な建物だったと言われているよ!
安土桃山時代 茶室
侘茶の発展とともに、にじり口を持つ質素な茶室が作られた。
江戸時代 蔵屋敷
年貢米や藩の特産物を取引する為に、大阪などの商業都市には倉庫を備えた邸宅が作られた。
明治 洋風建築
レンガ造りの建物や、洋風デザインの木造建築が建てられた。
写真は岩崎邸洋館。現在この建物を含む敷地は旧岩崎邸庭園として整備されている。
イギリスの建築家、ジョサイア・コンドルが設計し、西洋の様式をふんだんに取り込んだ木造建築である。
大正 文化住宅
欧米風の外観や応接室を持った住宅が造られた。
昭和 団地
高度経済成長期の住宅不足を解消する為に、浴室やトイレを各住戸に備えた集合住宅が大規模に建設された。
水洗トイレやダイニングキッチン等、当時の最先端の設備を備えた団地は多くの人のあこがれの的だった。
最後に
からくりみみずくの記憶だと、中学校で習った建築様式の一番新しいのは戦後すぐのバラックだったと思うのですが、今の教科書はバラック載っていませんでした。
歴史は日々更新されますから、それを3年の学習にまとめるのは大変ですね。
災害と新型コロナウィルスの影響で時代が大きく動く今、これからどんな建物が作られていくのかにも興味が湧いてきました。
参考図書